【要点のみ】アフターコロナのニュービジネス大全　新しい生活様式×世界１５カ国の先進事例

新型コロナウイルス感染症（以下、新型コロナウイルス）の感染拡大は、社会やビジネスの秩序をことごとく変えてしまった。
企業は今後、ニューノーマル（新常態）な世界でビジネスを再構築・再定義しなければならない。
本書にはニューノーマルを勝ち抜くヒントが満載。コロナ下にて世界中で実施されている具体的な事例が、６９個も紹介されている。
貴方のビジネスのヒントも必ずあります。

出版社名：‎ ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者名：原田曜平／小祝誉士夫
発行年月日：2021年7月16日
ページ数：290ページ

評価：

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目次

アフターコロナのニュービジネス大全　新しい生活様式×世界１５カ国の先進事例

コロナで激変する世界に対して、「何も変わっていない日本」
日本人はピンチを「我慢」してやり過ごす。世界は「楽しむ」を優先してチャンスに変えている。
日本は周回遅れだが「手遅れ」ではない。
海外の事例を参考に、アレンジしたり、より研ぎ澄まされたかたちに作り替えることは得意だ。
本書は世界の先進事例を、具体的なアプローチを含めて提案してくれる。
自らのビジネスに活かせる事例を見つけていきたい。

１：Ｂｅｙｏｎｄ　ＤＩＳＴＡＮＣＥ―距離を超える

物理的な距離を超えてオンラインですべてがつながっていく

VRオンライン会議

VR化するオフィスワーク
オンラインあるいはVRで仕事をこなすことが日常となり、重要な面談、交渉、商談などは顔を突き合わせて行う。
このコミュニケーションの使い分けが常識となる。

新出会い系サービス

外出が減っても出会いは増える
参加者を限定するなど、「安心感」「安全性」のあるサービスに支持が集まる。

バーチャル冠婚葬祭

礼拝もオンライン化、伝統にも変化

参加チョイス型オンライン飲み会

アプリを利用してオンライン飲み会
開催中の飲み会を見て気軽にタップして参加可能。

デジタル教科書

進化するオンライン学習
学校の先生の役割も、「ティーチング（授業を行う）」から「コーチング（わからない箇所を指導したり、モチベーションを高めたりする）」へ変わる

スマートミラージム

自宅エクササイズサービスに注目
フィットネス専用スマートミラーに普及の兆しあり

画面旅行

観光も鑑賞も自宅からバーチャル
名所を巡るツーリズム体験だけではなく、お寿司づくり体験と食事、日本酒講座と飲み比べ。

オンラインドクター

コロナ禍でオンライン診療が拡大

２：Ｂｅｙｏｎｄ　ＳＨＯＰＰＩＮＧ―新しい購買体験

新しい買い物のかたちを提示する

非接触サービス

非接触・省人化ショッピングの近未来
保冷・保温月のロッカー

注目無人配達

外出禁止で配送ビジネスが伸長
中距離をドローン、ラストワンマイルの自宅前までの配達は自動運転車という組み合わせが有効

ネオ直販

食材配達や農家直販の新しいかたち
農業に特化したライブコマースは仕掛け時
KAUCHEってアプリ面白いよ

ライブコマース

ライブ配信しながらの販売が好調
D2Dの商品を陳列し、実際に試して気に入ればEC購入する。 Raas(Retail as a Service)型の体験ショールーミングストアが注目。
「b8ta」が新宿と有楽町にある

VR店舗

バーチャル店舗は新体験をつくれるか
3Dバーチャル空間にて、ブランドの世界観を感じながらショッピングは導入が進む

バーチャル内見

本格的にバーチャルツアーを提供開始
ドローン撮影した動画で、家全体、庭、近隣の様子が閲覧。
カメラを搭載したロボットを使った内見ツアー

チャットEC

グループで楽しむオンライン買い物
VR店舗＋チャット機能（おしゃべり機能）が有効打となるだろう

貸切ショッピング

丁寧な接客で顧客単価が大幅アップ
プライベートショッピングはデパートやカード会社のVIPサービスとしてあるが、一般向けに定着する可能性あり。

玩具サブスク

月額制サブスクサービスの台頭
日本でも「トイサブ！」が利用者１万人を突破している

３：Ｂｅｙｏｎｄ　ＥＮＴＥＲＴＡＩＮＭＥＮＴ―新しい娯楽のあり方

従来の娯楽のあり方を一変させる

Zoom演劇

Zoom機能を活用し新しい演劇表現を

モノローグ芝居

「独自型」殺人事件ドラマが人気

自宅ナイトクラブ

無料でライブを楽しんで寄付
同じ店のDJプレイを同時にリモートで視聴しながら、ヘッドセットを使って会話

おうちイベント

多様なオンラインイベントが開催
いかに自宅で特別感やリアル感を演出できるかが鍵。
料理やカクテルを自宅に運ぶ際、食器やテーブルクロス、カクテルインフェーザーなども運ぶ。

バーチャルマラソン

バーチャル大会はチケット完売
個々が遠隔で走り仮想で順位を競う
社会や人と繋がって同じ目的やアクションを行ったり、ともに時間を過ごせることが人気のエッセンス

ドライブイン娯楽

ドライブインシアターの人気急上昇
「ソーシャルディスタンスを確保して移動できる価値」
「最小単位のエンターテインメント施設としての価値」
が自家用車に見出されてきている

デジタルフェス

オンラインフェスに活路を見出す
リアルコンサートが復活した後も、オンラインで参加する枠を設けてハイブリッドで開催する

フローティングシネマ

会場は「運河」観客席は「ボート」

つながる動画配信サービス

映画を見ながらグループチャット
Teleparty や Raveは要チェック

ゲームのリアル化

外出制限でソシャゲやVRが発展
ゲーム内の仮想空間も消費の主戦場になる。

バーチャルコミケ

VR空間でのイベントや展示が人気

アバタースポーツ観戦

巨大スクリーンに１万人の観客を投影
バーチャルで参加することは何もスポーツに限った話ではなく、IRカジノ事業やMICE事業などにも転用するとよい

宇宙旅行

１２．５万ドルで宇宙を６時間フライト
「一生に一度は宇宙旅行」はそう遠い未来ではない

４：Ｂｅｙｏｎｄ　ＬＵＸＵＲＹ―贅沢の概念が変わる

贅沢の概念が根本から変わっていく

コース料理デリバリー

人気店のコース料理を自宅で再現
「高級レストランや高級食材を味わうこと」から
「家族や友人と一緒に調理する時間、それを一緒に食べる時間こそがラグジュアリー」
という価値観へと変化している

おうちカフェ

ダルゴナなコーヒーが英国で大流行
ポイントは
①手軽に自作できること
②自宅で常備してる食材だけでつくれること
③映える見た目でSNSに投稿したくなること
④「おうちカフェ」の定番メニューとして、かふぇさながらの雰囲気や時間を自宅で満喫できること

自作発酵食品

中国で人気の発酵家電
「自宅で、家族で作る楽しさ」

生鮮品の新調達法

家庭菜園や生鮮品配達の人気上昇
巣ごもり生活で過程で調理することを楽しむ人たちから生鮮品の配達ニーズも急増

アーバンガーデニング

在宅で養蜂できる巣箱が世界中で評判
ハイテクを掛け合わせた新時代の水耕栽培デバイス

スローライフ動画配信

スローライフな動画配信が中国で人気
都会暮らしに疲れた若者に癒しを

臨機応変レストラン

世界一の高級店が屋外ワインバーに
朝から朝食向きのフルコースが楽しめる「朝ディナー」など、フレキシビリティ（柔軟さ）が求められる

オンラインバー

有名ビール会社がオンラインバー開催
メーカーが趣向を凝らした常設のオンラインバーを主催すれば、コミュニケーションに飢えたビール党やワイン愛好者たちを取り込める

注目車中ディナー

レストランの駐車場で車中ディナー。「Dinner in the Car」
自動車業界では「ヘルス・ウェルネス・ウェルビーイング」
車内を座禅に適した場にかえるマインドフルネス
空調にウイルスバスター
車はよりプライベートかつリラックスするための空間に変貌
単なる移動手段ではなく生活を豊かにするもの

貸切宿泊

貸切プランとテレワーク需要に活路
若者の間では、コロナ前からAirbnbで郊外の一軒家を借りて仲間で過ごす動きがあった。
「いつメン割」を宿泊だけでなく、レストラン、施設利用、様々なサービスに仕掛けると若者の心をつかめる

聴くコンテンツ

おうち時間を支援するサービスが人気

動画配信×専用ルームウェア

ファッションブランドとコラボ
「fashion for others(誰かのためのファッション)」ではなく
「fashion for me(自分のためのファッション)」という意識が根付く

庭消費

換気の良い屋外で娯楽を楽しむ「自宅リゾート」
庭が近所の人たちとの社交場になることで、コミュニティ再生にもつながる

非接触型ギフト

コロナ禍でサプライズギフトが人気
「Bloomee」「Flower」など、毎月に花が届くサブスク
花以外にも、ワイン、ウイスキー、テキーラ、日本酒、焼酎

マイクロツーリズム

自宅から２００マイル以内の旅行に注目増「ホカンス」

新ノマド族

コロナ禍でキャンプブーム到来
キャンピングカー、バンのレンタルやシェアリング、車中泊は旅のキーワード
米国では「バンライフ」が活況。日本ではワーケーション分野に広がり

５：Ｂｅｙｏｎｄ　ＤＡＴＡ―時代を拓くデータ活用

データを活用してニューノーマルな時代を切り拓く

感染防止テクノロジー

移動歴から感染リスクを判断
「中国だからできる」と思考停止にならずに日本も検討する必要あり

リアルタイム混雑情報

ソーシャルディスタンスで需要増
インドでは、ショッピングモール、公園、薬局、食料品店、バス停、ガソリンスタンド、バス、電車、ありとあらゆる場所の混雑状況がわかるアプリ「WaitQ」が人気

デジタル配給制

マスク販売のシステム化に成功

ファクト公開

感染情報をリアルタイムで開示
正しい情報によって正しく恐れる社会

ソーシャル職人

地方の医療機関を技術で支援
自治体が３Ｄプリンターを所有し、市民に安価に貸し出せる仕組みを平時から構築
３Ｄプリンター保有者と必要な人をマッチングさせる仕組み

６：ＣＯＭＰＡＮＹ―企業活動をアップグレード

企業活動をアップグレードさせる

緊急社会貢献

自社技術を応援して不足品を製造

時差ショッピング

Uberとスーパーが組んで高齢者支援
開店前の１時間を高齢者限定の時間にする。午前6時から7時半のUber利用は高齢者割引

クリック&コレクト

ECとリアル店舗の連携進む
今後人口減少が著しい地方を先頭に宅配が大きな問題となる。宅配、運送の人材不足が顕著になり、地方ほど宅配料金が高騰することも現実に起こりうる。

寄付運営

ギフティング（寄付）による運営モデル
動物を育てる一員になる疑似体験

注目社員シェア

広がる企業間の社員シェア
雇用／非雇用双方のセーフティネット
企業の業績は浮き沈みするのが当たり前。日本は一時解雇が認めれていない。業績の良い会社にレンタルで人材を出せる仕組みや提携は助け船になる。
サッカーでも活用されているよね。久保選手とか。

注目デリバリー革命

配車大手とスーパーで小規模農家支援
タイのGrabは、タクシーの配車、フードデリバリー、買い物代行、決済サービスまで、ありとあらゆるニーズを一元化して提供
地元密着を志向し、地域に根差したニーズを集めてサービスに昇華する「ハイパーローカル戦略」

支援広告

ハイネケンのバー支援キャンペーン。閉店のシャッターに広告を載せてお店を支援。

架空のリアル化

架空の食物を再現し、口コミ広がる
ゲームやアニメに登場する架空の食べ物を商品化する

７：Ｂｅｙｏｎｄ　ＬＯＣＡＬ―地域はネクストステージへ

地域や地元をネクストステージに昇華させる

隣人ボランティア

オンラインプラットフォームが続々
「Nextdoor(隣人の意味)」が流行っている
高齢者の「４大ペイン（苦痛）」と言われる、収入・健康・孤独感・生きがいの喪失　を解決することが大切

コミュニティ薬局

地域薬局発のグループチャットが人気
若者から高齢者まで幅広い年代の地域住民が利用するスーパーやコンビニなどが、地域のグループチャットを開設し、コミュニティの核となって交流を促進する働きがあっても良い。

ローカルEC

ローカルの小規模店を買い物で支援
Amazonではなく、地元の小売店を支援するＥＣサイト
利便性よりも「心のつながり」を重視

サブスク野菜

地産地消プラットフォームが盛況
定期的に新鮮な食品を届けるサービスが構築できれば、生産者・消費者にメリットあり。
絵画のサブすくサービス「Casie」、香水のサブスクサービス「COLORIA」など。

二重払いで貧困救済

イタリア人の「善意の二重払い」

窓際交流

通りに面した窓が地域住民の交流の場
デンマークでは住宅街を散策しながらいえいえの窓際に飾られた「ぬいぐるみ探し」を行うのが親子の楽しみとなった。
リアルな交流や絆の再構築

新ナイトスポット

夜間アクティビティの需要が増加
恐竜のジオラマで宿泊する新体験

注目社会貢献型店舗

「Nike Rise」という新しいコンセプト
ブランドショップは地域連携や社会貢献のハブ

ソーシャルディスタンス公園

香港で始まったプライベートポット

新しい都市設計

徒歩１０分以内に公園や緑地を
「人のアクセス」を軸に都市を再構築

まとめ

欧米で先行する「リベンジ消費」は、３つにパターンに別れている。
①コロナ前と同じ商売をそのまま復活させて、元気を取り戻すケース（ex.テーマパーク）
②コロナ禍で知恵を絞った商品やサービスがそのままスタンダードとなるケース（ex.色落ちしない口紅）
③消費が戻っても復活できず、そのまま消えていくビジネス（ex.高額できらびやかな「商品」）

対策として、本書の海外事例を国内向けにアレンジしてほしい。
キーワードは、「若者」「グローバル」の視点である。　と締めています。

本書には、このブログでは伝えきれない内容が多数詰まっています。
もっと深く知りたい方は、