出版社名:エムディエヌコーポレーション
著者名:藤村能光/倉貫義人
発行年月日:2020年12月11日
ページ数:160ページ
評価:
「一人ひとりの働き方の変革」をテーマした本。
4パートで構成されており、PART1とPART4では主に「個人の働き方」を、PART2とPART3では主に「組織・会社での働き方」を扱っている。
現在起こっている働き方のパラダイムシフトの根幹にあるものを解き明かし、リモートワークでの成果の出し方やリモート環境でのコミュニケーションといった課題の解決策を、フルカラーの図解で伝えてくれる。
従来見られた上意下達の一律的なマネジメントや組織体制は、リモートワークのような多様な働き方にはマッチしない。
マネジメントにも変化が必要であることが強く記載されている。
これまで常識とされていた「働き方」に疑問を持っている方、「働き方」に悩みを抱えるという方にお勧めの1冊。
ちょい得情報
目次
働き方・マネジメントのパラダイムシフトが必要
1:リモートワークによる変化
会社で個人を囲い込んで時間を管理し、仕事を与える時代は終わりつつある。
管理->コーチング 「セルフマネジメント」「自律」の時代。
自分自身を律しながら、仕事や生活の目標達成のために動く。
会社は、個人の多様なつながりや活動を認めつつ、本業でも力を発揮してもらうように働きかける必要あり。
複業も認める必要があるだろう。
2:これからのマネジメントについて
仕事の成果として働いている時間を監視するような考えは捨てる。
「作業」と「仕事」の違いが大切。
社員には作業ではなく仕事を与えること。
自分で考えて、求めらえた目的を達成。
ゴールが大切、その為に創意工夫させる。
マネジメントは成果を見ればよい。
「ソロワーク」ではなく、「チームワーク」を発揮できるようにしていく。
チームのマネジメントは「タスク」を管理。
人によって最適なタスクの大きさは違う。
その人に合った大きさで、管理していく。
タスクのばらし方は時間で考える。
これからのコミュニケーションは心理的安全性を高める「ザッソウ( 雑談·相談)」が大切。
管理職の役割も変化している。
【これまで】伝達 -> 【これから】伝えられた内容のすりあわせやフォロー
様々なものをオンラインファーストで設計する。
仮想オフィスもあり。(カメラで常に映していると、席にいるのかも共有できる)
3:これからの働き方
複数の仕事や人生の軸を持つ。
自分の付加価値を形成する。100人に1人の得意分野が、3分野あれば100万人に1人の人材になれる。
組織に属する意義は、個人では到底成し遂げられない大きな理想に向かって、みんなで突き進む事。
未来の働き方は、会社や組織・複業・コミュニティといった複数の場所が地続きにあり、どれもゆるく関連してくる。
情報のオープン化により、メンバーや社員がより強い当事者意識をもって、仕事をすすめられるようになる。
まとめ
コロナ禍におけるリモートワーク中心の働き方について改めて整理し、マネジメントに必要な事を教えてくれる。
漠然と頭の中では解っているような気にはなっていたが、文書や丁寧な図で整理してくれているので理解が進んだ。
会社の人事制度を変更するのは難しい事ではあるが、運用面でチームの管理に活かしていきたい。